2009年7月13日月曜日
AR Commonsのキックオフシンポジウムに参戦
AR Commonsのキックオフシンポジウムでスピーカーとして参戦してきました。
ARC会員としてシンポジウムを見に行ければいいやと思っていたら、頓智のiguchiさんから突然のオファー。いやはやiguchiさん、ビックリでしたよ。。。でも声をかけていただき、慶応の岩渕教授含め関係者のみなさまには本当に感謝してます。
超特急の準備で実施されたため、各スピーカーのスタンスや方向性がいろんな方面へ行ってしまう場面もあり、統一された会として映ったのかどうかは微妙なところだが、そこは「AR」という単なる技術ではない未知なる領域・概念を含んだジャンルであるからしょうがない。
実際にシンポジウムではこれから議論するべき様々な問題やテーマが浮き彫りになり、そのどれもがすぐには答えが出なさそうだし、「まずは実際にやってみないと」わからないものばかりで、今後のARの可能性(と危険性も?)を強く感じることができた。
個人的には話し足りない点が後からたくさん出てきて「あぁ~もっとああ言えばよかったー」と後悔する点が多かったが、やはりアカデミックな視点とビジネス的な視点の違いに一番戸惑った。
最初はスタンスが違いすぎて、議論の矛先がよく見えなかった部分も多かったが、未知の分野について議論していくという意味では、自分がいる立場から見るだけでは不十分であることもよく分かった。
プラス、この分野に関わる方たちとのネットワークを一気に広げることができただけでも、本当に価値の高いシンポジウムだったし、個人的には前から作品が好きだったIAMASの赤松正行氏と会えたことが嬉しかったな。
いずれにせよ、ARを使ったサービスが世の中・街の中に出て行く上では、既存の公共圏の中にどうアダプトさせていくか、という部分の議論が必要だ。
だが、従来のネット文脈だけでこの議論をしていくのは難しいだろう。
シンポジウムではあまり出てこなかったが、屋外のプロモーションやデジタルサイネージの分野に触れていると、嫌というほど実感するのが、すでにリアルな世界が「既得権益」と「規制」だらけだっていうこと。
僕らはその雁字搦めのルールの中をなんとか調整したりすり抜けたりしながら、プロモーションやサービスを展開してきたわけだが、ARサービスが街中に出て行くということは、そんなルールを簡単に跳び越す可能性があるということであり、必ずその既得権益に影響を与えることになる。
別の言い方をすると、この既得権益だらけの実空間上に、ARがどのような形であれば受け入れてもらえるようにしていくか、そして嫌われることなくフィットするようなサービスに昇華できるかどうかが、今後の課題になる。
よってリアルな世界でのARを普及させていくには、つまらないけど多少は上の権力からのトップダウンによるルール規定が必要なのかもしれないし、細かい部分については、僕らみたいな広告会社が行ってきたようなフィールド・プロモーションにおける調整ノウハウが必要になってくるのかもしれない。
とはいえ、何事もやってみなくちゃわからないのが正直なところ。
なので早いとこ経済特区みたいな街を設定して、そのフィールド上で試験的なサービスを開始し、様々な企業/サービスプロバイダーに参画してもらいながら、トライ&エラーを繰り返して行くのが手っ取り早いだろう。
渋谷なんか最適な街だと思うんだけどな~。
それにしても、早くセカイカメラをこの手でいじりたおしてみたいもんです。あー楽しみ。
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